第11回ベクタープロレジ大賞にて史上初2部門同時表彰を果たした大人気のサウンドノベル「ひぐらしのなく頃に」、話題の新作「うみねこのなく頃に」で、ますます注目度上昇中の竜騎士07さん。
今回は、そんな同人ゲーム界をリードし続ける竜騎士07さんをクローズアップし、『フリップ』 『ベクター』 『gooダウンロード』 の3メディア共同でインタビューを敢行しました!


竜騎士07さん: ゲームクリエイター。 代表作はサウンドノベル「ひぐらしのなく頃に」。
新作「うみねこのなく頃に」 も話題を呼んでいます。

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山奥の寒村「雛見沢村」で毎年起こる怪死事件の謎を解いてゆくゲーム

ひぐらしのなく頃に

今回の「10の質問」では、新作「うみねこのなく頃に」について、「ひぐらしのなく頃に」の秘話、未来のゲームクリエイターへ向けたメッセージ等、 スペシャルなお答えを寄せていただきました。
ノーカット掲載となりますので、じっくりとお楽しみください!


Q1.同人ゲームを作ろうとしたきっかけは何でしょうか?
自己表現として、何かを作りたい、発表したいという気持ちは強くありました。
ただ、何を作ればいいのかということがわからず、色々なことに挑戦しました。その最後に辿り着いたのが同人ゲームというジャンルでした。
この度、受賞※させていただきました『ひぐらしのなく頃に』という作品も、それをどんな形(ジャンル)で発表するかについては、ずいぶんと紆余曲折がありました。
今日では同人ゲームとして発表していますが、一番最初の段階では、舞台脚本として描かれていました。
長い紆余曲折の末、同人ゲームというジャンルに出会えて本当に良かったです。

※『ひぐらしのなく頃に』は 第11回ベクタープロレジ大賞にて、史上初となる2部門同時表彰を果たしました。

Q2.自分のPN/HNの由来を教えてください
どういう形で自己表現をするか紆余曲折する過程で、漫画に挑戦したこともありました。
その時、友人の同人誌に漫画を寄稿したのですが、その日の深夜に、目次の都合があるのでペンネームを至急決めて欲しいと電話を受けました。
とにかく深夜で眠いし、今すぐに決めないといけない流れだったので、……
その場の思いつきで「竜騎士07」というペンネームに決めました。
これは、私が大好きだったゲーム、「ファイナルファンタジー5」に出てくるヒロインの名前※から拝借したものです。
この時は、二度とこの名前を使うことはないと思っていたのですが……。
タイムマシンがあったなら、その時に戻って、もう少しマシな名前を付けるように当時の自分を叱りたいです(苦笑)

※「07」をレナと読んでください。

Q3.作品を作るときに、ここだけは拘ろうと思うところはなんでしょう?
今持っているアイデアや情熱の全てを、全て「今回」のその作品に詰め込もうというところです。
アイデアも情熱も、出来立ての料理と同じだと思っています。
とにかく、熱々の内にそのまま使いたい。
じっくり寝かして次回にでも使おう…、何て思ってしまうこともありますが、それはつまり「今回」の作品にそれを加えないという手抜きでもある。そう感じてしまう為、とにかくとにかく、今ある全てを詰め込むことへの情熱だけは拘っています。
あと、具体的な部分では「音楽的世界観」でしょうか。
竜騎士07にとって、音楽は全ての世界が生まれる源泉です。
常に世界観を生み出す時、その核になる音楽を大切にするようにしています。
今の自分の執筆・創作には良いヘッドフォンと音楽が欠かせません。
Q4.作品のアイデアが生まれるのは、どんなときですか?
腕を組んで椅子で悩んでいる時よりも、日常生活や友人たちとの会話の中でポンと思いつくことの方が多いです。
友人たちと会話することで、自分の知らない知識や感覚に触れることで、新しいインスピレーションが浮かぶことはよくあります。
また、日常生活の中でふとリラックスする時にも、ポンと何かが思いつくことがあります。お風呂でのひと時とか、窓から入道雲が見える時に冷たいお茶を飲んだ時とか。川辺の土手をジョギングしている時なども頭が空っぽになって良いアイデアが浮かぶ時があります。
そういうアイデアを研磨する段階で、ようやく腕を組んで椅子で悩むべきだと思います。
日常の生活を楽しみながら、何かに触れて何かを思いつく、が自分のアイデアの生み方です。
Q5.好きな本や作家、影響を受けた映画やアニメなどについて教えてください
実は、枚挙に暇がないくらいに様々なものに影響を受けています。
本でも漫画でも、アニメでも映画でも。ニュースやバラエティ番組からさえも影響を受けています。
とにかく竜騎士07はあらゆるものに影響を受けやすいです。感受性がある、と言われれば聞こえはいいですが、影響を受けやすいということは、自分の作品にも、意識せず影響が及ぼされているということかもしれません。
なので、アイデアを生み出す「無から有を生み出す時期」には、色々なものに触れますが、逆に「アイデアから作品を生み出す時期」には、他の作品の影響で作品がブレないように、意図的に外部の作品に触れないよう自己を缶詰にしています。
ちなみに『ひぐらしのなく頃に』については、世界観は「八墓村」に代表される横溝作品の世界観から、 キャラクター的世界観は「トゥハート」「Kanon」に代表される恋愛ノベルゲームから、 サスペンス的世界観は映画「ブレアウィッチプロジェクト」から、そして劇中の大災害については映画「未知との遭遇」からインスピレーションを得ています。
もちろん他にもまだまだたくさんの異なるジャンルの作品から影響を受けていると思います。その意味において、今の自分が再び『ひぐらしのなく頃に』を執筆したとしても、まったく違う物語を描くだろうと思います。
Q6.他のフリーソフトや同人作品で気になる作品はありますか?
数え切れないくらいたくさんあります!
作品の出来だけでなく、作者の気迫や、作品作り自体へのプリミティブな楽しさが伝わってくる作品が好きです。
作品の出来のほとんどが絵のうまさが締めるという気風があり、綺麗な絵が描けない(あるいは絵描きがいない)ため、ゲーム作りを諦めている方々が昨今とても多いように感じ、それを残念に思っています。
絵以外の要素(例えば、シナリオとかゲーム性とか、他にも色々)でも、ゲームはきっと楽しくできるはずです。 絵がうまくないからと自信をなくされている方々には、どうか萎縮することなくこの世界へ飛び出してきてほしいものです。
何しろ、私も絵は下手くそですので…(汗)。そんな下手くそな絵の『ひぐらし』をここまで応援して下さった全ての方々に本当に感謝したいです。
Q7.法人を設立しての商業化という形を考えていますか?
自分たちの作りたい作品を作りたいように作れる、理想の環境をすでに確立していますので、組織的な体制を変えようという気持ちは今のところありません。
これも全て、同人作品への社会認知が上がり、同人サークルであっても大勢の方に発表できる場が増えてきた為だと思います。(ベクター様もまさにその中のひとつです)
そんな場を提供して下さる皆さんと、同人作品の社会認知に貢献して下さった皆さんに深く感謝したいです。
Q8.これから同人/フリーソフトを作ろうと思っている人へ、何かメッセージをお願いいたします
ゲームに限らず作品全てに言えることですが、未完成の大作100本は、完成した小さな作品1本に劣ります。
作品作りに挑戦される多くの皆さんは、素晴らしい大作を生み出そうと理想に燃えていることと思います。
それは、フルマラソンを完走しようと意気込むのに似ています。しかし、いきなり42.195kmが完走できるわけがありません。そして完走できず「記録ゼロ」のまま終わってしまう方が多いように思います。
少しずつ走る距離を伸ばして自分を鍛え、その末に至るのがフルマラソンのはずなのです。
子どもの頃に憧れた夢の大作にいきなり挑戦する前に、まずは下らないくらい小さなものを作ることから挑戦してみて下さい。
やればわかることですが、大作を80%作ることより、小さな作品を100%完成させて発表する方がずっと困難です。
そうして小さな作品を少しずつ作り続けて自分を鍛え、ステップアップを図っていって下さい。
確かに世の中に天才は大勢います。いきなりの初挑戦で天下に名を轟かす天才を、私も大勢知っています。
しかし竜騎士07は凡才です。『ひぐらしのなく頃に』で評価をもらうまでに10年以上も様々なジャンルを放浪しています。
もし貴方が天才でないならば。どうかまずは小さな挑戦からしてみて下さい。その積み重ねが、必ずや貴方にいつの日にか、夢に描いた大作を作り出すチャンスを与えてくれるでしょう。
Q9.新作「うみねこのなく頃に」について、ユーザーにおすすめしたい点・作品を通じ伝えたい点はなんでしょうか?
『うみねこのなく頃に』は、アンチミステリーとアンチファンタジーの対決という、珍しいテーマの作品です。
昨今のミステリーでは、ファンタジー(迷信)の正体を暴くものが主流で、ミステリーがファンタジーの上位であるのが当然というような風潮になっています。つまり、アンチファンタジーが主流なのです。
しかし、ミステリーというものはそんなにも完璧なものなのか? ファンタジーがミステリーに一矢報いることは出来ないのか? そんなことをテーマにしながら、本当の意味での互角な「ミステリーとファンタジーの対決」を描いた作品です。
ミステリーとしてもファンタジーとしても読める、相容れないはずの両ジャンルの混交をお楽しみいただきたい作品です。
もちろん作品を通じて伝えたいテーマも隠されていますが、まだ物語は連載中。どうか皆さんで、そのテーマを探り出していただければ幸いです。
Q10.今後作ってみたいと思うソフトについてお考えをお聞かせください
常に色々な挑戦をしていきたいと思っています。
技術的な都合で、現在のところ、サウンドノベルがもっとも開発に適した環境となっていますが、もしも可能ならば、他のジャンルの作品にも色々と挑戦していきたいと思っています。
それこそ、色々なゲームに触れ、影響やインスピレーションを受けて、今の自分には想像もつかない未知のジャンルに挑戦できたらと思い描いています。
同人ゲームというジャンルさえも、自己表現の中のひとつの手段でしかない。
その枠に囚われず、今後もどんどん挑戦し、楽しく作品作りをしていきたいと思います。
ありがとうございました!

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